作品紹介

チェーホフ先生こんにちは

名作生き方・人生愛と友情家族・親子の愛

笑いとペーソスに彩られた
生命力あふれる人間ドラマ・・・
厳選された5作品をオムニバスで!

作品紹介

世界喜劇の中でアントン・チェーホフは最も偉大な劇作家の一人として、聳え立っています。 特に「かもめ」「ワーニャおじさん」「三人姉妹」「桜の園」の4大戯曲は、私たち日本人にとっても馴染みの深い作品ですが、没後100年を経て、チェーホフを重視する潮流は、各国でますます高まってきました。
現代的でしかも普遍的な彼の作品は、戯曲ばかりでなく膨大な短編小説もまた、若々しく瑞々しく私たちの心に沁み透り、普通の人々の身近な日常を描きながら、その悲しみや苦しみ、喜びや夢を、深い洞察力をもって簡潔に明確に、そして力強く表現しています。その中から、ユーモアと生命力に溢れた5作品を、オムニバス形式で劇化、上演いたします。

あらすじ

第一話 「煙草の害について」・・・恐妻家の脱線講演
恐妻家のニューヒンは、町の有力者である妻の代理で、ある田舎クラブで講演をする事になった。議題も「煙草の害について」とするように妻に命令されていた。彼は議題そっちのけで妻の悪口を並べ立てるが、その最中に会場に妻が現れる・・・

第二話 「ぐず」・・・残酷な教訓
家庭教師のユーリヤは、下層階級の者にありがちの、ぐずで弱い性格をしていた。主人は、これでは世間を渡って行けまいと、心配のあまり、少し教訓をたれてやろうと、給料日にわざと残酷な罠をしかける・・・

第三話 「花婿とパパ」・・・娘と結婚させたい将軍と逃れたい青年
将軍の娘と近々結婚すると、町中で噂されているミールキンは、その噂を打ち消すために、将軍の家に直談判に出かけた。あの手この手と結婚を断念させようと奮闘するが、彼はこれまで将軍の家に入り浸りだったために将軍夫妻は全然聞き入れてくれない。そこへ思いがけず救いの神が訪ねて来る・・・

第四話 「悪党」・・・悪党はどっちだ?
予審判事チリイの前に、村人デニースが逮捕されて来る。線路の枕木を留めるナットを、外しているところを見つかったのだ。ナットを一本でも外したら、列車転覆の大惨事につながると恐れる判事に、デニースはこれまでナットは村中で何本も外されていたとうそぶく・・・

第五話 「結婚の申し込み」・・・行き遅れの娘と結婚を熱望する男の大論争
結婚を決意した地主ロモーフは、隣の地主の娘ナタリアのところへ結婚の申込みに行く。行き遅れの娘を気遣う父親は大賛成、昔から二人の結婚を熱望していたと大喜びする。しかし、当人同志の結婚話は、思いもよらぬ事態へと展開していく・・・チェーホフ屈指の一幕爆笑劇!

作品鑑賞のポイント

★チェーホフって面白い!
初めて舞台劇をご覧になられる方にも、クスッと笑える短いお話がテンポよく展開し、舞台装置も次々と転換しますので、その魅力に気づいて頂けることと思います。
観劇後は、これまでチェーホフの作品を難しい古めかしいと思っていた方たちが、他の作品も読んでみよう観てみようと思って頂けることでしょう。
★作品の時代背景について
登場人物の一人「ニューヒン」が狂言回しとして、作品の時代背景や当時の「ロシア」の社会の仕組みを分かり易くお話しますので、作品がさらによく理解できます。
★人間そのものの魅力を発見
チェーホフの作品にはどれも、ごく普通の人々の、何気ない日常、その日その日の悩みや問題が、ユーモアと共に穏やかに描かれます。その中に「人間」の魅力、生きることの素晴らしさを感じて頂きたいと思います。

<作品情報>
・原作/A.チェーホフ
・脚本/平塚仁郎
・演出/村田里絵
・上演時間/約105分(休憩10分)
・対象/中学生・高校生・一般

皆さまからの感想

私は初めて「喜劇」というものを見ました。この劇を見終えた今、感想は「すごい!」という一言しかないと思いました。
まず一番思ったのは、劇団員の方々の一人ひとりの声の聞こえやすさです。自分たちは会場の二階にいたのに、何を言っているかはっきり分かるし、第一声からそのことに感動しました。
次に劇団員の方々の内容の正確さです。皆さん言わなければいけない所で忘れずに、そして、間違えずに言い、演じる位置も決して間違えることなく演じていた事です。一時間五十五分という長い演技時間なのに、ここまで完璧に仕上がっているのは、何公演もしてきたからなんだろうと思いました。
個人的には第2話の「花婿とパパ」が集中して見れたし、おもしろかったとおもいます。物語が進んでいくうちに、いつのまにか花婿を早くこの家から逃げ出させてあげたいという、応援しているような気持になっていました。それもこれも、演技がスムーズで上手だからこそ、嫌になることなく、会場全体が笑いありで見られたのだと思います。
今日の芸術鑑賞会を通して、劇を見に行くのも楽しいものだなと思ったので、来年もまた、学校でこのような機会が作られることを願っています。

N高等学校1年生女子生徒

「すごいっ」この思いが一番初めの印象です。元気さ、声の大きさ、化粧の濃さ、演技力、全てがすごいと感じました。
私が演劇を鑑賞して、おもしろいなと思った場面はいくつかありますが特におもしろいと思った場面は、花婿とパパの場面です。いろんな手段を使って結婚から逃れようとするロモーフと結婚を熱望していた父親の会話がおもしろいと思いました。
この劇を鑑賞して、みんなで一つのものを作り上げることは、すばらしいことだと思いました。私たちも、これから体育祭など、皆で一つになって作りあげて行く事などがありますが、心に残る、感動するものを作り上げていきたいです。

K商業高等学校2年生男子生徒

「チェーホフ先生こんにちは」という演劇を鑑賞しての感想は、全部で5話の構成になっていて、一つ一つどれもおもしろかったです。一話目はぐずな家庭教師にその家の主人が残酷なことをして、家庭教師がかわいそうだなと、思っていたら実は、ぐずな家庭教師が世間を渡っていけないと心配して罠だったのには心がホッとしました。それに家庭教師の勘違いをしているときがとても笑えました。
二話目は、ある男が噂のせいで結婚させられそうになる話でした。その人が、全く耳を持ってもらえずいるところとそこの家の家政婦のところがすごくおもしろかったです。
温かい気持ちになれる作品や、とても笑える作品ばかりでした。話の一つ一つがとても短くてわかりやすかったので、あきずに見ることができました。私たちの身近に起こりそうなことの作品もあって、人の喜怒哀楽がとてもわかりやすく表現されていたので見ていて楽しかったです。何度見てもあきないなと思いました。来年も楽しみです。

K商業高等学校2年生女子生徒

今回の劇を見て、この劇全体を通して思った事がありました。それは、人の話を聞く大切さと、自分のことだけでなく相手の気持ちも十分に考えて話をするということです。これはすごく当り前で、だれもがわかりきっている事だけど、ふと気を緩めたり、かっとなって、自分の言いたいことを言いたいだけ相手に言ってしまう状態が少なくないんじゃないかと思い、改めて、「話をする」、「聞いてもらう」難しさを感じられたなと思いました。
劇の中で何度も「言いたいけど言えない。」「言いたいけど言わせてくれない。」「相手ばかり話し続け、自分の話は聞いてもらえない。」と言う場面があり、そのたびに「どっちも一回黙って、ゆっくり話を聞きあい、互いに一歩譲り合って話をすればいいのに。」と思ってしまいました。
今回の劇からこのようなことを感じ、学べたので、今後の学校生活や、人と関わったり、コミュニケーションが必要な時はどんどん実践していきたいと思いました。

N高等学校3年生女子生徒

劇の内容はもちろんすばらしかったですが、僕は、舞台の背景がすごいなと思いました。特に、壁についている戸に驚きました。僕は、初め、戸も立体的に描かれた絵だと思っていました。しかし、その戸が開き、人が出入りしている時に絵ではないと気付き驚きました。そして、不思議に思い、その戸をよく見てみると、立体を描くときのように斜めになっていて、戸を閉めていると絵に見えるけど、開けてみると実際の家ではあまりない斜めの形をしていました。
舞台では、出演者の皆さんの演技だけでなく、目で見る背景や耳で聞く音響も、良い劇を作るときには大切なんだと思いました。特に音響は、場面転換のときに、強弱をつけて流していて雰囲気がでていました。
そう考えると、今回の劇は、出演者の頑張りだけでなく、裏で協力した方々の頑張りがあってできあがった一つの劇なんだと思いました。見えないところで役者を支える方々がいてこそ演技ができるわけだから、そういうことを考えながら見てみるのもおもしろいなと思いました。
また別の時に機会がったら見て、いろいろなことを、内容、舞台構造から学んで、文化祭で活かしていければいいなと思いました。

N高等学校3年生男子生徒

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